働き方の多様化が進む一方、会社によっては就業規則で副業を禁止している場合があります。それでも「収入を増やしたい」「将来のために副業を始めたい」と考える会社員は少なくありません。しかし、副業禁止の会社員が無計画に副業を始めると、懲戒処分や法的トラブルにつながるリスクがあります。この記事では、副業禁止の会社員が注意すべき法律とリスク管理のポイントを詳しく解説します。
会社が副業を禁止する理由
まず、なぜ企業が副業を禁止するのか理解しておきましょう。
- 本業への支障:副業によって本業の業務が疎かになることを防ぐため
- 情報漏えい防止:企業秘密や顧客情報が外部に漏れるリスクがある
- 利益相反の防止:競合他社での勤務や同業での事業展開を避けるため
これらは企業が本業の品質や機密を守るために設けているもので、多くの企業が就業規則に副業禁止や制限を記載しています。
副業禁止と法律の関係
副業を禁止する会社は多いものの、日本の法律では「副業そのものを一律禁止」しているわけではありません。関係する主な法律を見てみましょう。
労働基準法
労働基準法は、労働時間や休憩、休日などの基本的なルールを定めています。副業をする場合、本業と副業の労働時間を合計して、1日8時間・週40時間を超えると割増賃金が必要になる場合があります。
民法・就業規則
労働契約は民法に基づき、就業規則に従う義務があります。就業規則で副業禁止が明記されている場合、違反すると懲戒処分や解雇の対象になる可能性があります。
国家公務員法・地方公務員法
公務員は副業が厳しく制限されており、許可を得ない副業は法律違反となります。民間企業の会社員よりも規制が強いため特に注意が必要です。
会社に副業がバレる主な原因
副業禁止の会社に内緒で副業をしても、以下のような理由で発覚することがあります。
- 住民税の通知:副業で所得が増えると住民税が増え、会社に通知される
- 社会保険の加入:副業先で社会保険に加入すると会社に情報が伝わる
- 人づてやSNS:知人やSNSの投稿から間接的に知られる
特に住民税は発覚の大きな要因です。
リスクを減らすための対策
副業禁止の会社員が副業を始める場合、以下のような対策が有効です。
1. 就業規則を確認
まずは会社の就業規則を確認しましょう。「副業禁止」「事前許可が必要」などの条文があるかを確認します。副業が許可制の場合は、正しい手続きを踏むことで合法的に副業できます。
2. 確定申告で「普通徴収」を選択
副業で年間20万円以上の所得がある場合は確定申告が必要です。その際、住民税の徴収方法を「普通徴収」にすると、住民税が会社経由ではなく自分で納付する形になり、会社に通知されにくくなります。
3. 社会保険に注意
副業で月8.8万円以上の給与収入があると、社会保険の加入義務が発生する場合があります。副業先から社会保険に加入すると会社に情報が伝わるため注意しましょう。
4. SNSの利用を慎重に
副業内容をSNSに投稿する際は、個人が特定されないよう工夫しましょう。プロフィールや写真から勤務先が推測される可能性があります。
副業禁止でも比較的リスクが低い副業例
会社に知られにくく、在宅でできる副業には以下のようなものがあります。
- 株式・FX・仮想通貨などの投資:労働による所得ではなく、原則として住民税の通知以外で会社に伝わりにくい
- クラウドソーシングでの匿名ライティング:ハンドルネームで活動可能
- ポイントサイトやアンケート:少額なら確定申告の必要がない場合も
ただし、収入が大きくなれば確定申告が必要になる点は変わりません。
万が一バレた場合の対応
副業が会社に知られた場合、まずは冷静に事実を確認し、誠実に対応することが大切です。就業規則違反を指摘された場合は、状況によっては弁護士や労働組合に相談するのも一つの方法です。
まとめ
副業禁止の会社員が副業を始める場合、就業規則や関連する法律を理解し、リスクを最小限に抑える工夫が必要です。就業規則の確認、普通徴収の選択、社会保険の管理、SNSでの情報管理など、基本的な対策をしっかり取れば、安全に副業を継続する可能性が高まります。正しい知識と計画的な行動で、副業による収入とキャリアの可能性を広げましょう。
副業アドバイザー/ブロガー
20代後半から複数の副業に挑戦し、現在は在宅ワークやブログ運営を中心に活動中。会社員として働きながら副業を始めた経験から、初心者でも実践しやすい副業のノウハウを発信しています。
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